あなたは没頭するものありますか?
あなたがワインが好きでこの映画を見るか、そうでないかによって面白さが違うかもしれません。
日本ワインが飲みたくなります。
「ヒューマンドラマ」として見ると面白いです。
時間内に収めるために詰め込んだ感はありますが…私はこの映画が好きです。
ワイン好きとしてみていましたが、ヒューマンドラマ的な要素が沢山感じられたので私の思った感想を綴っていきます。
(映画を見て何を感じるかは自由です。偏見が入っていたらごめんなさい。)
映画ウスケボーイズのストーリー
「教科書を破り捨てなさい」
岡村(渡辺大)、城山(出合正幸)、高山(内野謙太)、上村(竹島由夏)、伊藤(寿大聡)は「ワイン友の会」の仲間で、集っては世界中のワインを嗜んで蘊蓄を語り合っていた。ある夜、日本のぶどうを使ったワインがフランスワインより美味しいはずがないと決めつけていた彼らは、仏vs日本ワインでブラインドのテイスティング会を開催する。予想は外れ、世界に通用する「桔梗ヶ原メルロー」の存在を知った彼らは、この世界レベルのワインを生んだ麻井宇介(橋爪功)に憧れ、ワイン用のぶどう栽培は困難と言われたこの日本の地で麻井の思想を受け継ぎながら常識を覆すワイン造りに没頭していく。しかし、ぶどう畑は大雨・雹・病害などに見舞われ・・・。果たして、日本のワインに革命を起こすことはできるのか?実話をもとに描かれたウスケボーイズの物語。
引用元:ウスケボーイズ 公式ホームページより
ー物語はワイン好きの仲間がそれぞれワイン造りの道に進んでいくという話ー
岡村はぶどうに適した土地を探し、友達と一緒に自分たちのオリジナルワインを造ることに。次第に友達、妻が離れていく、それでもワイン造りに没頭していく。
城山は農家の家の婿養子になった。お見合いした相手が偶然にもぶどう造りをしている農家だったのだ。(だから結婚したのかどうかは不明)会社員としてワインの醸造をしていたが、自分のワインをぶどう栽培から造りたいと思い行動を起こす。
高山は家が果実酒を造っている。自分は本物のワインを造るんだという強い思いから親を説得し造り始める。自然の力に翻弄されながらもやっていく。
この道へいくきっかけを作った人物がいる。それが現代日本ワインの父である麻井さん。
感想
麻井さんの言葉…思想…
初めて麻井の想いを聞きワインの会のメンバーは影響を受ける。
以下は麻井がワインの会のメンバーに伝えた言葉の一部分。
「なんで焼酎なのか、ワインを知るのにワインだけではダメなんですよ」
「シャトーラフィットと同じ」
「コピーをしたところでオリジナルを造った人たちから尊敬は得られない。」
「思想を持ったワイン造り」
「嘆いていてもここで合うものを追求する」
「常識に囚われていてはダメ」
「このワインどう思う?」
「このワインの良いところは?」
「なぜ君たちたちは否定的なコメントばかりなんだ」
「ワインはスタイルなどで決めつける必要はありません」
「失敗はみんなで共有して進んでいく、人生を無駄にしないために」
「何を残したいのか、何を排除したいのか」
「人と自然がどう関わるか」
麻井さんが伝えたいメッセージはワインは人が造っているということなのだが、
この言葉全て人のことについて言っているように聞こえた。
例えば
「コピーをしたところでオリジナルは作れない」→「人の真似をしてもその人にはなれない」
「嘆いていてもここで合うものを追求する」→「嘆いていても仕方がない、他に何ができるか考える」
「このワインの良いところは?」→「この人の良いところは?」
「ワインはスタイルで決めつける必要はありません」→「思い込みで性格を決めつけるべきではない」
「何を残したいのか、何を排除したいのか」→ 「何をしたいのか、そのために何をやめるのか」
こんな感じ。
麻井さんは人を導く先生のようだと感じた。遠い存在の先生ではない、たまに会うにもかかわらず近くで見守ってくれる存在。頭の中で麻井さんの言葉が残る。まるで道に迷っているときに導いてくれるように…
「教科書を破り捨てなさい」
勇気のいる行動。日本人に必要な言葉な気がする…
学校では教科書通りに教えてもらい、意見や討論をしないで教育を受けるのが当たり前。
自分の意思を持たずに育っていく…
いや、本当は持っているのかもしれない。それでも発言しなければ、行動しなければ意思をもっていないとおんなじ。
あなたは本音で話し合える人がいますか?
強い想い、夢を現実にしていく姿
実話を基にしているが、三人ともワインが好きでだから学校で仲良くなり今はそれぞれワイン造りをしている。まるで運命のようだなと感じた。
好きな気持ちが強ければ強いほど、人は道にまっすぐ進むことができるのではないか。
妥協すれば大きなワインの会社に入って社員として携わることはできる。夢を実現したいという強い想いがなければ絶対にこういう道にならない。
面白いと思ったのが城山さんのお見合い相手が、偶然にもぶどうを造っていたこと。麻井さんの言葉、畑を持っているということもあって会社をやめて自分のワイン造りを始める。婿という立場で家では低姿勢にもかかわらず、お義父さんを説得して行動するのだ。
(このお義父さんのキャラが何とも言えない。強面なのに自分で判断せず必ず奥さんに聞く。可愛すぎるよお義父さん…)
夢を夢で終わらせない。行動をすることで現実になるのだと。
麻井さんに出会えたのも必然なんだなって。メンバーでワイン会をし、ブラインドテイスティングをしたこと、それから日本の可能性を感じたこと、ワイン好きがワイン好きと出合い、その人が麻井さんの元部下だったという。引きつけちゃうんだな〜って…
夢を持つ人に希望を与える映画
夢を持っている人に希望を与える映画ではないだろうか。
この映画は是非、お父さん、お母さんにも見てもらいたい。
もし自分の子どもがこの三人のようだったらどうする?何を馬鹿なこと言ってるんだって怒る?背中を押してくれる?
何を伝えるか…あなたにとっても子どもにとっても、ずっと後にもその伝えたことは記憶として残る。
全面的に協力してあげてと言いたいわけじゃない。ただ応援してると一言受け入れてあげて欲しいなと思う。
岡村の真っ直ぐな性格
話はそれます。岡村さんを取り巻く周りの人間関係について…
心が痛むシーンがあった。岡村さんが鈍感なのか、コミュニケーション不足なのか批判する意味ではなく、人間らしさを感たシーンです。
「うち、一部屋空いているからこないか?」この岡村さんの一言から、一緒にワインを造ると言った水上さんとの関係にヒビが入ります。
そして水上さんに対して「従業員」という言葉を使うところ…
「自分のワインが造りたくて会社を辞めたのに…」
私は女なので水上さんの気持ちに同情してしまいました。
岡村さんの真っ直ぐで素直な性格、きっと裏表がない性格なのかなと思いました。周りにいる女性はそんな岡村さんの無神経な言葉に傷つくことになります。水上さんがどんな想いでワイン造りをしたいと言っていたのか、忘れてしまったのかもしれません。
その後すぐに奥さんも去ってしまいます。(「うちの部屋に住んでもらう?」という安易な言葉がいけなかった気がします…)奥さんがどんな想いで一緒についてきたのか気にかけていなかったのかもしれません。
水上さんも奥さんも反論するのではなく、諦めて去っていってしまう何とも言えないシーンがあるのです。
水上さんは後に仲直りしたようでしたが、奥さんはでてきませんでした。ここで思ったこと、恋愛は一瞬だが友情は一生という言葉。まさにこの言葉だなと。(奥さんは熱が冷える前にもっとコミュニケーションをとていれば…岡村さんを信頼していれば…冷え切ることはなかったのでは…なんて思ったり。)
原作はよりワインについて詳しく書かれています。興味がある方は是非!
ワイン好きな方は両方必見です。勉強になりますよ。
映画はAmazonプライムで無料で視聴可能です!