こんな疑問にお答えします。
こんにちは、ニャンコです。
ワインの輸入会社に勤め、ワインエキスパート、ワインの国際資格であるWSET Level2、3を取得した私がご紹介します。
この記事を読むと、リースリングの特徴、主な生産地を知ることができます。
それではいってみましょう。
優美な品種【リースリング】とは
リースリングはアロマティックな白ブドウ品種です。ソーヴィニィヨン・ブランは草木やハーブのような『爽やか』なイメージに対し、リースリングは果実や花のような『優美』な香りと風味が特徴的です。
リースリングは酸味をよく保つという特徴をもっているため、遅摘みに適してる品種でもあります。遅摘みにすることで辛口から甘口まで様々なスタイルのワインを造ることができます。
あなたがワイン初心者だとしたら、このブドウ品種から造られたワインは飲んでおくべきです。ソムリエ試験でも何回も出題されている品種でもあります。上質なリースリングに出会えたら、あなたはきっとリースリングの虜になるでしょう。
リースリングの特徴
リースリングは冷涼から温暖な地域で造られます。
<気候によるワインの風味>
冷涼な地域:花、青リンゴ、レモン、ライム、
温暖な地域:レモン、白桃、アプリコット、パイナップル、マンゴー
リースリングは辛口から甘口まで『多様なスタイル』に造ることができます。同じアロマティック品種であるソーヴィニィヨン・ブランと同じく高い酸味が特徴的で、ワインが持つ強い果実の香りを楽しむことができます。
また、リースリングは最も長い熟成が可能な白ワインの一つと言われ、何年間もの熟成に耐えられます。
<熟成による風味> 石油のような香り(ペトロール)、トースト、蜂蜜、燻製
若いワインにペトロールの香りがするのは水分不足で出てくると言われています。
リースリングの生産地のご紹介
ドイツ
リースリングの故郷である冷涼な気候のドイツ。(ブドウ栽培の北限と言える環境)涼しいため、ブドウの成熟期間が長く、酸味を保持しながら糖分を成熟させることができるのです。上質なワインが造られる生産地はモーゼル、ラインガウ、ファルツです。
甘口ワインは一般的に貴腐の影響を受けたブドウから造られるもの(貴腐ワイン)と、凍ったブドウから造られるもの(アイスワイン)があります。
モーゼルでは最高品質のワインを造ることで高い評価を得ている村があります。最もよく知られているのがピースポート村、ベルンカステル村、ヴェーレン村です。最良の畑は川のすぐそばの急勾配の斜面にあります。
ここで造られるリースリングは一般的にボディは軽く、アルコールも弱め、酸は高く、エルダーフラワーと青リンゴの風味が特徴的です。
ラインガウも評判が高い地域です。ほとんどのブドウ栽培地は川沿いに位置し斜面に築かれています。大半のワインは辛口でミディアムからフルボディ、熟した桃の風味を持っています。
ファルツはドイツで2番目に大きい産地です。ブドウ畑の多くはフランスのアルザス地方の畑の延長とみなすことができます。ここの産地でも急斜面に畑があり、円熟した濃厚なボディーを持つリースロングを生み出しています。
フランス
アルザス地方では上質なリースリングが造られます。フランスの東部に位置しており、西に横たわるヴォージュ山脈が、フランス北部全体に吹く雨まじりの風からこの地方を保護しています。
ここで造られるワインは辛口でミディアムボディ、青リンゴ、レモン、桃の風味をもちます。より凝縮した風味をもつ遅摘みのワインも造られ、わずかに甘味があるのが特徴的です。
オーストリア
最上のワインはヴァッハウ、カンプタール、クレムスタールで造られる傾向があります。通常辛口で、ミディアムボディからフルボディ、熟した桃のような風味があります。
オーストラリア
クレア・ヴァレーとイーデン・ヴァレーで上質なリースリングが造られています。辛口でミディアムボディ、酸味は高く、強いライムやレモンの風味を持ちます。
ニュージーランド
冷涼な南島で上質なリースリングが造られます。辛口またはオフドライで、酸味が高く、凝縮した青リンゴやライムの風味を持つことがあります。
カナダ
オンタリオ州にあるナイアガラ半島では最上のアイスワインが産出されます。
アイスワインとは健康なブドウを樹に残したまま冬季まで置いておきます。気温が零下になると、果肉に含まれる水分が凍ります。こうしたブドウを収穫して造るワインのことです。
アイスワインは甘口ワインです。貴腐ワインのようなねっとりした甘さではなく、さっぱりとした甘味が特徴的です。口に含むと芳醇な風味を楽しむことができます。
アメリカ
ニューヨーク州のフィンガー・レイクスで上質なリースリングが造られています。湖の恩恵を受け、酸味が高くジューシーなリースリングが生産されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?甘口から辛口まで造られるリースリング。そして白ワインでは珍しく長期熟成が可能な品種の一つです。(100年も寝かせておくことができるワインもあります)
先日10年ほど熟成したリースリングを頂きましたが、まだまだフレッシュでもっと寝かせておいたても良かったかもしれないと思いました。果実の風味が前面にでてきて、熟成によるペトロールや蜂蜜の香りがまだしてこない…。あと何年寝かせたら出てくるのだろうか…そんなふうに考えながら頂きました。
芸術もそうですが、ワインも正解がなく、開けるたびに発見や考えさせられるので、飽きることがないのが魅力だなと思っています。