こんな疑問にお答えします。
こんにちは、ニャンコです。
ワインの輸入会社に勤め、ワインエキスパート、ワインの国際資格であるWSET Level2、3を取得した私がご紹介します。
この記事を読むと、シラーの特徴、主な生産地を知ることができます。
それではいってみましょう。
スパイシーな品種【シラー】とは
シラーは黒ブドウ品種です。ブレンドされることが多いですが、単一品種で造られるワインも造られています。
シラーの果実は、カベルネ・ソーヴィニヨンと同様、小さく、果皮は厚く、色は濃いです。また、ハーブ、燻製肉、黒胡椒、甘草(甘い香辛料)の風味が特徴的です。
あなたがワイン初心者だとしたら、このブドウ品種から造られたワインは飲んでおくべきです。ソムリエ試験にも何回も出題されているブドウ品種でもあります。洗練されたものから、パワフルなものまであり、飽きることのない品種です。
シラーの特徴
シラーは温暖または高温の地域で造られます。冷涼な地域では成熟が難しい品種です。
<気候によるワインの風味>
温暖な地域:オリーブ、ブラックベリー、ハーブ、燻製肉、黒胡椒
高温な地域:オリーブ、ブラックベリー、ダークチョコレート、甘草
中程度から高い酸味とタンニン、フルボディなことから、上質なワインは長期熟成が可能です。また、木樽で熟成させることが多いです。
<木樽によるの風味>
トースト、ヴァニラ、ココナッツ、チョコレート、シナモン、クローヴ
<熟成による風味>
皮革、青野菜、湿った葉、土
ブレンドによく使われる品種は『グルナッシュ』、『ムール・ヴェードル』、『サンソー』、『カリニャン』『カベルネ・ソーヴィニヨン』などです。
シラーの主な生産地のご紹介
フランス
ローヌ地方は伝統的な生産地です。最上のシラーは北ローヌにあるコート・ロティ、エルミタージュで造られています。シラーを生産できる最も冷涼な気候の地域です。最上のものはベリーの香りにわずかに胡椒の香り、熟成すると皮革(レザー)、肉類の風味が加わります。
コート・ロティでは20%まで白ブドウ品種である『ヴィオニエ』を加えることができます。実際は数パーセントしか加えられていません。『ヴィオニエ』を加えることによって花(スミレ)のような爽やかさを持つワインになります。
エルミタージュはローヌ北部でも最もフルボディで長期熟成ができるワインが造られています。
ライングドックとルシヨンでも広く栽培されています。グルナッシュ、ムールヴェードル、サンソーなどの黒ブドウ品種とブレンドされます。ここの暖かい気候から、熟れた風味とタンニンが多いワインができます。より冷涼な地域では、優雅でタンニンが軽い品質の高いワインが造られます。
オーストラリア
幅広く栽培されています。オーストラリアでは『シラーズ』と呼ばれ、世界的にも高い評価を得ています。
ハンター・ヴァレーのような高温な地域、バロッサ・ヴァレー(高級ワイン生産の中心地)のような温暖な地域では、フルボディで果実風味の強いワインを造ることができます。現在は多くの生産者がより控えめなスタイルのワインを造る傾向があります。
ジーロングとヒースコートの冷涼な地域で造られるシラーズは、シャープでしっかりとした骨格と新鮮な果実風味、胡椒の香りがします。
シラーズはカベルネ・ソーヴィニヨンとブレンドし、ワインに滑らかさとボディを与えるのに使われることもあります。(ボルドー地方のメルローと同様の役割です。)
まとめ
いかがでしたでしょうか?シラーは今回載せた生産地以外にも多くの場所(チリ、南アフリカ、アメリカのワシントン州、ニュージーランドなど)で栽培されている品種です。
特に上質な産地はフランスの北ローヌとオーストラリアが有名です。
以前、オーストラリアで造られるシラーズはベーコンのような燻製肉の香りが強いものが多かったです。流行りなのか、今は洗練されたシラーズを造る生産者が増えてきたようです。
ジビエ料理と合わせることが多いシラー、私は熟成したシラー単体を飲むのが好み。あなたも一緒に自分の好みのワイン、飲み方を探究していきましょう。