2004 Wehlener Sonnenuhr Auslese/Joh.Jos.Prum
基本情報
生産者:ヨハン・ヨゼフ・プリュム
原産国/地域:ドイツ/モーゼル/ヴェーレナー・ゾンネンウーア
タイプ:白
品種:リースリング100%
アルコール度数:7%
ヨハン・ヨゼフ・プリュム
モーゼルの最も著名な生産者で、プリュムという名前の最古の記録は12世紀に見られます。1842年、祖先のひとりのヨドクス・プリュムが、ヴェーレンとツェルティンゲンに日時計を造りました。
所有する畑はヴェーレナー・ゾンネンウーア(4.5ha)を筆頭にグーラハ、ツェルティンゲン、ベルンカステルに14ha所有しています。葡萄は100%リースリング種で、可能な限り遅摘みにして、葡萄の持つ性格を最大限に引き出しています。若いうちは、かすかに炭酸が感じられ、生き生きとした味わいがあります。また、たいへん長寿なワインとしても有名で、カビネットクラスでも飲み頃になるまでに5年はかかり、10年~20年は良い状態を保ち続けます。
宮武酒店HPより引用
ゾンネンウーアは日時計の意味。JJプリュムは最大所有者である。
ドイツには「銘醸畑」というものがある。ソムリエ試験で勉強した人ならきっと思い出すであろう。日本語に訳され、吹き出しながら覚えた記憶がある。畑名に「墓」「医者」「天国」と名前がついているのだから気になっってしかたなかった。勉強している当時はそんなこと調べる余裕がなく、ドイツ語に四苦八苦して途中で諦めて1/4位しか「銘醸畑」を覚えることができなかった。それでも試験に合格できるのだ。わたしはソムリエでもなく、インポーター勤めだったので暗記しなくてもなんとなく覚えて調べる手段や正しい情報かどうか判断できる能力さえあれば仕事はこなせる。
そう考えると「ソムリエ」というプロフェッショナルは本当にすごいなとつくづく思う。サービスから知識から、もちろんワイン、食事の知識は当たり前のように必要。日々の努力と練習、研ぎ澄まされた空気を読む力。
三つ星レストランに年に1度はいくべきであるのは、こういう最高のプロフェッショナルたちのサービス、食事、空間、来ている人たちの気品を学ぶことができるからだ。自分の舌は三つ星じゃなきゃ嫌だと思っているからではない。
話を戻して、ゾンネウーアも「銘醸畑」の一つ。
「銘醸畑」とはいえ、いい造り手が造るからこそ「銘醸」といってほしい。そんなことを思っているわたしにとってこのワインはまさに「銘醸ワイン」だった。
JJプリュムを知ったのはWSETの授業。
(WSETって何か?という方は、こちらの「ワイン好きにおすすめしたいWSET Level2講座」を見てくださいね。)
テイスティングで出されて、このワインが好きだ。と恋をしたのだ。こういう美味しいワインに出会えると胸がときめく(それから授業半分くらい聞いてなかった。テイスティングというより味わっていい気分になったのをよく覚えている)
テイスティング
美味しくてコメントをメモしていなかったので軽く残します。
16年以上も経っているのにフレッシュ。
香りは青リンゴ、レモン、桃、アプリコット、スイカズラの香り。少し蜂蜜の香りも出てきていた。
アウスレーゼなので甘いかと思いきや、高い酸とバランスが良くスイスイと飲めてしまう。
凝縮感のある味わいに長い余韻。
飲み込んだ後も口の中でミネラルが残る。
モーゼルのストレート粘板岩には赤、灰色、青色とあり、青色が最も生成年代が古い。主に青色粘板岩が多いと言われているゾンネウーアの畑で造られたワインの味わいから共通したミネラルが味わえる気がする。人によっては土壌は味わいに反映されないという人もいるが、わたしは関係していると思う。
もちろん、造り手がどんな哲学でどんな思いでつくっているのか、どの畑に対してどう思ってそれをワインでどう表現しているかは生産者に直接聞かないと分からない。ただ、こういうミネラルとか、鉱物的な香りとか、土壌からくる何かが香りに反映している気がする。
縦方向に伸びていく余韻は青色粘板岩と同じ古く地下深くに沈んでいた地層とリンクするところがある。
とはいえ、こうやって学んで納得している部分もあるので、味わいから予測できるほどわたしは経験も乏しく、そして評価できるほど一人前でもない。
だからこそ、一口飲んで「好きだ」と思えたワインがこういう土壌で、どのように造られているのかついつい知りたくなる。
知りすぎると疲れちゃうんだけど、この子はどこ出身で、どんな性格なのかな?って探究心がくすぐられる。
1日目も2日目も、4日目も変わらず美味しく頂けた。
あと20年寝かせてもいいかもしれない。